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東北版8月4週号
ブランド豚肉「十豚」 基幹産業をけん引 - 有限会社 細川農興

 養豚業を営む横手市十文字町腕越の有限会社細川農興(細川茂博代表取締役、75歳)では、ブランド豚肉「十じゅっとん豚」を手がける。飲食店や小売店への卸売りに加え、一般消費者が購入できる直売店をオープン。ブランドのさらなる向上を目指す。
 同社は1970年に養豚を始め、89年に法人化。現在は母豚約200頭を飼養し、年間5200頭余りを出荷する。
 細川拓也常務取締役(37)が2011年に就農し、16年にブランド豚肉への取り組みを開始。市場が定める格付けでは、脂が厚く等級が下がってしまう体型の丸い豚に着目した。
 おいしい豚肉が規格で評価されないことに生産者として疑問を
抱いていた細川常務。「等級が下がると味が落ちると思われがちだが実際は異なる。良質な脂は肉のうまみをより感じていただける」と話す。
 肉質検査で数値化した味のデータと、生産者の目利きにより上位10%を選抜。その上位10%と十文字地域、生産者と消費者の思いが交差する意味を込め、十豚と命名した。
 飼養規模に対し、母豚当たりの出荷量が多い同社。細川常務は「母豚のコンディションと子豚のケアに配慮した、清潔でストレスのない飼養環境のおかげ。それが肉のおいしさにも結び付いているのだろう」と自信を持つ。
 当初は知人のコミュニティーでの地道な宣伝だったが、口コミで評判が広まり、提供する飲食店が市内を中心に増加。一般消費者からの問い合わせも増えた。
 ニーズの高まりに応えようと、今年6月には同市赤坂に直売店「TOKOTON PORK(トコトンポーク)」をオープン。ロースやバラ、ヒレ肉などを注文後に、好みや調理法に合わせカット販売する。
 細川常務は「横手市は養豚が盛んな地域。横手の豚肉を食べたり、贈り物にしたりする機会創出に寄与したい。十豚を通して地域の盛り上がりにつなげたい」と展望を描く。
次号をお楽しみに!