2019年1月1週号(特集③)
秋田県知事賞 トマト「桃太郎ワンダー」 - 柿崎幸子さん
【湯沢市】湯沢市山田地区の柿崎幸子さん(65)が栽培するトマト「桃太郎ワンダー」が秋田県知事賞に輝いた。夫の孫一さん(70)と共に水稲とハウストマトで複合経営をし、地域の生産農家をけん引する。
幸子さんは「自分が嫁いで当時は、水稲と畜産を営んでいた」と振り返る。知人の勧めで1986年からトマトを露地栽培から始め、約2年後にハウス栽培に切り替えた。
現在は9棟のハウス580坪で、桃太郎ワンダーと「桃太郎8(エイト)」を夫婦で手掛ける。「始めた当初は満足な収穫量にならなかった。ハウスに切り替えてからは我が家に豊富にあった牛の堆肥を入れ、10年くらいは続けてハウス内の土の天地返しを行った。それからは収穫量が安定してきた」と懐かしく話す。
夫の孫一さんは2012年に種苗交換会で顕彰状を授与されたトマトの名人。JAこまちトマト部会の部会長を永らく務め、今は顧問になっている。ハウスには、良品質生産の秘訣を探ろうと視察農家が後を絶たない。昨年初めて幸子さんが種苗交換会に出展し三等賞に入り、今年念願の一等賞(=秋田県知事賞)を受賞した。
幸子さんは「品質の良いものを出すコツについて、やるべきことをきちんとやっているだけで特別なことをやっている意識はない。ただ、ハウスを訪れた人からは『柿崎さんのハウスの中は奇麗』と言われることは多い」と笑顔を見せる。
「昨年から導入した桃太郎ワンダーで一等賞を受賞できたことは、客観的に自分たちの栽培管理の確認がされたと思っている」としながら、「手を抜くことはたやすいが、これまで以上に良品質なものを出し続けていけるよう夫婦で頑張っていきたい」と力強く話す。
次号をお楽しみに!